映画「この世界の片隅に」感想レビュー - ヒーローフィギュアをレビュー!

映画「この世界の片隅に」感想レビュー

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今回は
映画「この世界の片隅に」の感想レビューです。

※完全なネタばれなので、これからご覧になる方はご注意下さい。








「こうの史代先生」原作の漫画を
「片渕須直監督」がアニメ化した
映画「この世界の片隅に」を映画館で鑑賞して来ました。

以下が「あらすじ」と「感想」です。

※完全なネタばれなので、これからご覧になる方はご注意下さい。
うろ覚えのため
展開の前後や欠落等、
実際の作品の内容と異なる記載がありますがご容赦願います。
また、
原作については未読です。

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入場者プレゼント「松原秀典氏描き下ろしデザインオリジナルポストカード」
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「悲しくてやりきれない」コトリンゴ

「みぎてのうた・たんぽぽ」コトリンゴ

※動画投稿者の方々へ、ありがたく使わせて頂きます。

(あらすじ)

昭和8年12月
広島市江波に暮らす少女
「浦野すず(声:のんさん)」は、
親の使いで中島本町に海苔を届けに行く。

帰宅後「すず」は妹の「すみ」に、
外出先での出来事を語って聞かせる。

広島市内で道に迷った「すず」は、
怪しい大男「ばけもん(声:三宅健太さん)」に
捕まりどこかへと連れて行かれそうになる。

「ばけもん」のしょいかごに落ちた「すず」は、
同じく囚われの身の少年「北條周作」と出会う。

2人は落ち着いた様子で、
互いに遠出して来た事を語り合う。

「周作」から、
約束の刻限までに親と合流しなければとならないと聞いた「すず」は、
手元にあった望遠鏡に
星と三日月の形を切り抜いた海苔を貼り付ける。

「すず」から手渡された望遠鏡を覗いた「ばけもん」は、
夜になったと錯覚し
そのままその場で眠り込んでしまう。

「ばけもん」から解放された「すず」は
「周作」と別れた後、
使いを終えて帰宅した訳だが、
「ばけもん」の一件に実感が持てなかった。

昭和10年8月
「すず」は兄「要一(声:大森夏向さん)」「すみ」等と共に、
お土産の西瓜を持って、
草津の祖母宅を訪問する。

途中で転んで泥まみれになった3人を、
祖母「森田イト(声:京田尚子さん)」と叔父叔母は
温かく迎え入れる。

「すず」は、

「イト」に仕立ててもらった着物に着替える。

やがて
用事を終えた「すず」の両親
「浦野十郎(声:小山剛志さん)」
「浦野キセノ(声:津田真澄さん)」も合流する。

西瓜を食べて兄妹と共に居間で昼寝していた「すず」は、
ふと目を覚まし、
天井裏から粗末な身なりをした少女
「リン」が降りて来るのを目の当たりにする。

西瓜の食べかすにかぶりつく「リン」に対し、
「すず」は残りの西瓜を持って来ると伝える。

しかし、
「すず」が西瓜を持って戻ってきた時、
既に「リン」の姿はなかった。

すると「イト」は、
「リン」はみんなが帰った後に
食べに来ると優しく「すず」に語り掛ける。

昭和13年2月
「すず」は自宅近くの江波山で、
級友の少年「水原哲」と出会う。

海軍兵学校にいた兄を海難事故により失ったばかりの「哲」は、
兄の遺品である鉛筆を「すず」に譲る。

兄の死により海が嫌いになったと語る「哲」の傍で、
「すず」は山から臨む瀬戸内海の景色を描く。

白波をうさぎに見立てて描かれた絵を見た「哲」は、
海を嫌いになれないと語り、
絵を片手に去って行く。

昭和18年12月
草津で「イト」一家の海苔業を手伝っていた「すず」は、
縁談が来ているとの実家からの知らせを受け、
急遽戻る事となる。

「すず」は「イト」が予め準備していた花嫁衣装を抱え、
江波へと戻る。

帰路の途中、
「すず」は海軍の軍服姿の「水原哲(声:小野大輔さん)」と再会する。

丁度「すず」の縁談相手と入れ替わりで
浦野家から出て来たと語る「哲」に、
「哲」が自分の縁談相手だと予想していたと「すず」は
あっけらかんと話す。

「すず」の言葉に憤慨した「哲」は、
憎まれ口を叩いてそのまま去って行く。

浦野家に到着した「すず」は、
こっそりと家の中を覗いて
縁談相手の「北條周作(声:細谷佳正さん)」と
その父「北條円太郎(声:牛山茂さん)」の姿を見つける。

「円太郎」は「すず」の両親に、
息子が幼い日に一度会ったきりの「すず」を探し
見つけるまでに非常に手間取ったとにこやかに語る。

様子を窺っていた「すず」は家に入らず、
そのまま江波山に登る。

花嫁衣装を頭から羽織った状態の「すず」は
瀬戸内海を見下ろしながら、
「いやかどうかもわからん人じゃったねえ…」
と呟く。

するとそこに道に迷った「周作」と「円太郎」が現れ、
「すず」は駅まで2人を案内する事となる。

すると後日、
「北條家」からの強い要望があり、
「周作」と「すず」の結婚が決定する。

昭和19年2月
「すず」は「キセノ」「すみ(声:潘めぐみさん)」等と共に
呉の「北條家」に向かう。

「北條家」の広間で、
「浦野十郎」「浦野キセノ」夫婦と「すみ」、
「北條円太郎」とその妻の「北條サン(声:新谷真弓さん)」、
「円太郎」の姉である「小林の叔母(声:塩田朋子さん)」と
その夫「小林の叔母(声:佐々木望さん)」、
「周作」の姉の「黒村径子(声:尾身美詞さん)」等を前に、
「すず」と「周作」の結婚式が執り行われる。

終始穏やかな雰囲気で無事に式も終り、
「すず」は「浦野」の家族を見送る。

その直後ツンとした表情の「径子」が無言で「北條家」を後にするが、
式の参加者を把握しきれていない「すず」は、
少し戸惑ってしまう。

その日の晩、
嫁として挨拶する「すず」に、
「円太郎」と「サン」は優しく語り掛ける。

「円太郎」は海軍の工廠に技師として勤務し、
「周作」は海軍軍法会議録事(書記官)を勤めていた。

入浴後夫婦の寝室に入った「すず」に「周作」は、
「傘を一本持って来たか?」
と尋ねる。

予め「イト」から手順を教わっていた「すず」は、
「はい、新なのを持ってきました」
と自分の荷物から傘を取り出し「周作」に手渡す。

すると「周作」は部屋の窓から軒先に架けられた干し柿を取って、
「すず」に渡す。

干し柿を食べる「周作」に「すず」は、
一体いつ自分達は出会ったのかを尋ねる。

ボーッとした性格でよく思い出せないと語る「すず」の左頬に、
「周作」はそっと手を当てる。

「周作」は、
出会った時の「すず」の
ボーッとした様子と左口元のほくろが
強く記憶に残っていると語り掛け、
そのまま「すず」にキスをする。

「北條すず」となった「すず」は、
呉で始まった新たな生活に、
悪戦苦闘する。

そんな「すず」に、
足が不自由で床で過ごす事が多い姑の「サン」は
家事の手順や決まり事を優しく伝授する。

「すず」は、
隣保班の「知多さん(声:瀬田ひろ美さん)」
「刈谷さん(声:たちばなことねさん)」
「堂本さん(声:世弥きくよさん)」
等とも親しくなるが、
活動の中でドジな失敗ばかりしてしまう。

昭和19年3月
「北條家」に
小姑の「径子」が
娘「黒村晴美(声:稲葉菜月さん)」を伴い帰省して来る。

「径子」はつんけんとした態度で、
「すず」の服装がみっともないと注意し、
すぐに新しいもんぺを縫う様命じる。

「すず」は綺麗な柄の着物を広げ、
如何に裁断し、
もんぺに縫い上げるか思案する。

そこにやって来た「晴美」は、
親しげに「すず」に話し掛け、
2人はすぐに打ち解け合う。

無事に完成したもんぺに着替え、
家事を行う「すず」に対し、
「径子」は何かと難癖を付けて来る。

夕食時、
「径子」は「すず」に対し、
自分が家事を引き受けるため
江波に戻る様皮肉っぽく勧める。

それを聞いた「すず」は、
「径子」が自分を気遣い
里帰りする様勧めていると解釈し、
従う事にする。

江波に里帰りした「すず」は、
広島市内の各所を回り、
「福屋百貨店新館」
「広島県産業奨励館(現・原爆ドーム)」
等をスケッチする。

呉に戻った「すず」は、
自分とは逆にテキパキ家事をこなす
「径子」を苦手に感じる。

そんな「すず」に「サン」は、
「径子」の身の上話を語って聞かせる。

モダン・ガールだった「径子」は、
早々と就職し働きに出ていたが、
やがて結婚し、
「久雄」と「晴美」の兄妹を儲けるが、
夫に先立たれてしまった。

さらに、
性格が災いして「黒村家」とも折り合いが悪くなってしまった。

そんな中「晴美」は
「すず」によく懐き、
「北條家」の傍の段々畑から見える
呉の軍港に出入りする軍艦の名前を
得意気に列挙する。

「晴美」は、
兄の「久雄」が軍艦の事を教えてくれたと
「すず」に語り掛ける。

同年4月
改装完成した戦艦「大和」が
呉港に入港する。

やがて「径子」は「晴美」と共に
「黒村家」へと戻って行く。

昭和19年5月
次第に食材の確保が厳しくなる中、
「すず」は有効な情報を積極的に取り入れ、
日々の献立を彩り豊かにしようと奮闘する。

代用食として野草を摘み、
調理方法を工夫して、
わずかな食材を
数品のおかずに仕上げる。

節米料理として「楠公飯」も試してみるものの、
見た目とは裏腹の味で、
不評に終わってしまう。

昭和19年6月
「径子」が「晴美」と共に
「北條家」に戻って来る。

夫が遺した時計店が建物疎開により取り壊され、
「黒村家」が下関に引っ越す事となり、
これを機に離縁したとの事。

息子の「久雄」については、
「黒村家」の長男として下関に残す形となっていた。

昭和19年7月
「北條家」は一家総出で
庭の防空壕作りを始める。

作業が一段落した頃に雨天となったため、
「すず」と「周作」は防空壕で雨宿りする事になる。

2人は壕の出入り口で座り込む内に、
身を寄せ合いキスを交わす。

雨が止んだのを見計らい、
壕の奥から「円太郎」と「サン」が来たため、
「すず」「周作」は取り乱してしまう。

「円太郎」は、
夫婦仲良い事は結構な事だと
「サン」と仲睦まじく壕から母屋へと戻り、
「すず」「周作」夫婦もその後に続く。

径子は二組の夫婦に見せつけられ、
1人いじけてしまう。

ある日、
段々畑で呉港の景色を写生していた「すず」は、
巡回中の憲兵に尋問され、
スケッチブックを没収される。

憲兵は「サン」と「径子」等に、
「すず」がスパイ行為の疑い有りと言い出し、
今回は不問とするが
以後注意する様警告して去る。

憲兵が去った直後、
「サン」と「径子」は、
「すず」がスパイ等出来る訳がないと笑い出し、
「晴美」も釣られて笑い出す。

帰宅後昼間の出来事を聞かされた「周作」からも笑われ、
「すず」は1人むくれてしまう。

「周作」は、
スケッチ用にと手帳を「すず」に渡し、
再び没収されない様釘を刺す。

昭和19年8月
「すず」は「晴美」と一緒に、
道で見つけた蟻の行列の行き先を辿って行く。

すると行列は「北條家」の台所に保管してある
砂糖の壺へと続いていた。

貴重な砂糖を蟻から守ろうと焦った「すず」等は、
壺を水瓶の中で保管する事を思いつく。

しかし、
壺を沈めようとした所蓋が開いて、
中の砂糖は全て水に溶けてしまう。

「すず」から事情を聞いた「サン」は、
箪笥の引出しからへそくりを取り出し、
闇市で砂糖を買って来るよう勧める。

「サン」に教えられた通り闇市を訪れた「すず」は、
あらゆる商品が
驚く程の高額で販売されているのを目の当たりにし
動揺を隠せない。

砂糖を購入した「すず」であったが、
道に迷ってしまい、
いつの間にか
朝日町の遊郭に迷い込んでしまう。

困惑する「すず」に、
「二葉館」で働く
「白木リン(声:岩井七世さん)」が声を掛けて来る。

「リン」は「すず」に、
長ノ木町までの帰り道を教える。

「すず」は
「リン」から漂う良い香りが
気になって仕方ない。

「すず」は助けてもらったお礼に、
「リン」に絵を描いて渡す事にする。

「リン」からウエハースの添えられた
アイスクリームの絵を希望された「すず」は、
食べた事が無いため描く事ができない。

「すず」に説明する内に、
「リン」は草津の家での出来事を思い起こす。

そうこうする内に「リン」は仕事に戻る事になり、
絵は今度渡しに来ると「すず」は申し出る。

それに対し「リン」は、
こんな所には来ない方が良いと助言する。

「北條家」に帰宅後、
「すず」は「径子」にアイスクリームの事を尋ねる。

今まで食べた事が無いと話す「すず」にあきれつつ、
「径子」はアイスクリームを食べた時の事を上機嫌に話す。

その直後、
砂糖の溶けた甕の水を知らずに飲んで、
「径子」はご満悦の様子であった。

昭和19年9月
「すず」は
「周作」に帳面を届けるため
下士官兵集会所を訪れる。

化粧した「すず」の姿に「周作」は驚き、
2人はそのままデートする事になる。

そんな中、
最近食欲がないと「すず」が発言した直後、
2人は顔を見合わせる。

後日、
朝食の席で「径子」は、
「2人分!」
と「すず」に普段より大盛りに盛られた
茶碗を突き出す。

しかし、
「すず」が拍子抜けした表情で病院から戻った晩、
食事の量は元通りにされてしまう。

昭和19年12月
巡洋艦「青葉」が呉港に帰投する。

「青葉」の乗組員となっていた「哲」は、
呉に入湯上陸し「北條家」を訪れる。

すっかりくつろいだ様子の「哲」に対し、
何かと「すず」は食って掛かる。

入浴後「哲」は、
「円太郎」不在のため臨時の家長を務める「周作」より、
母屋ではなく納屋で夜を明かす様告げられる。

「哲」が納屋に入った後、
「周作」は「すず」に行火を持って行く様頼む。

「周作」の勧めにより、
「すず」は「哲」と一晩
共に過ごす事になる。

「哲」は「すず」に、
「青葉」の甲板で拾った
鷺の羽根をプレゼントする。

「すず」はその羽根を削って作ったペンで、
「哲」のために絵を描くが、
久し振りのためうまくいかない。

やがて「すず」は、
ずっと自分は「哲」と今の様に
2人になりたかったのかもしれないと吐露する。

そんな気持ちを抱えたまま嫁に行く事になり、
そう考えると「周作」に対し
複雑な気持ちを抱いてしまうと訴える。

そんな「すず」に対し「哲」は、
「すず」が今では「周作」を一番に想っていると
優しく諭す。

互いに積もる話を交わす中「哲」は、
「すず」が至って普通になったと漏らす。

早朝、
「哲」は「すず」等に見送られ、
「北條家」を後にする。

昭和20年2月
兄「要一」戦死の連絡を受け、
「すず」は「周作」と共に江波に向かう。

合同葬儀で、
「要一」の骨壷には遺骨の代わりに、
石が一つ入れられている事が知らされる。

呉へと向かう電車の中、
「すず」は「哲」との件で、
気遣ってくれた事を「周作」に感謝する。

それに対し「周作」は、
自分も「すず」と「哲」との関係について
気が気でなかった事を告白する。

続けて「周作」は、
「すず」が「哲」に対し、
自分には見せない様な怒った表情をしていた事にも
嫉妬していたと語る。

それを聞いた「すず」は、
怒った顔なら今していると反論し、
やがて2人は痴話喧嘩を始め
駅員に呆れられる。

昭和20年3月
「すず」と「晴美」は段々畑で共に過ごしていた。

するとその時、
上空に多数の敵機が飛来する。

「すず」と「晴美」は防空頭巾を被り、
上空の至る所で爆炎が上がるのを目撃する。

やがて迎撃が始まり、
周辺に破片が飛び散る。

そこに駆け付けた「円太郎」は、
「すず」と「晴美」の上に覆い被さり、
2人を戦闘から守ろうとする。

やがて戦闘が一段落した時、
「円太郎」はその場に倒れ込んでしまう。

連日の勤務による疲労が原因で、
一時的に意識を喪失した「円太郎」は、
母屋の寝床で目を覚ます。

「円太郎」が死んだものと思い込んだ「すず」と「晴美」は、
一緒にうれし泣きする。

その日を境に、
呉には連日空襲警報が鳴り響き、
「すず」達一家は防空壕に避難するのが常態化する。

生活も厳しさを増す一方であった。

昭和20年4月
「すず」は初めて
B-29(F-13)の飛行機雲を目撃する。

昭和20年5月
「周作」は海軍軍人に任官される。

「すず」は「周作」を慕っている事を改めて伝える。

海兵団での訓練に赴く当日、
「すず」は「リン」からもらった紅を塗って、
「周作」を見送る。

昭和20年6月
「径子」は「晴美」の受け入れを依頼するため、
下関の「黒村家」に向かう事にする。

「径子」が切符を購入するまでの間に、
「すず」と「晴美」は
「呉海軍病院」に入院している
「円太郎」の見舞いに向かう事にする。

「円太郎」を見舞い「径子」の元に向かう途中、
空襲警報が発令され、
「すず」と「晴美」は最寄りの防空壕に避難する。

激しい空襲の後、
「すず」と「晴美」は
半壊状態の町中を進む。

その途中、
「晴美」は空襲で出来た窪みに近づく。

不意に、
学校で教わった時限爆弾の事を思い出した「すず」は、
咄嗟に「晴美」の手を掴んで引き寄せようとする。

次の瞬間、
時限爆弾がさく裂する。

「すず」は目を覚ますと、
「北條家」の居間で寝かされていた。

「すず」はあちこち負傷し、
「晴美」の手を掴んでいた右手は失われていた。

「径子」は「晴美」の事で「すず」を責め、
「人殺し!」と罵倒する。

「サン」は、
「径子」は「晴美」を失い混乱していて
本心ではないと「すず」を慰める。

「すず」は放心状態が続き、
家事も思う様にこなせず、
「径子」の助けを借りる事になる。

昭和20年7月
夜間の呉に焼夷弾による空襲が行われる。

他の家族が庭防空壕へと逃げ込む中、
「すず」は母屋に留まり続ける。

そこへ屋根を突き破り、
1発の焼夷弾が居間の床に突き刺さる。

すると「すず」は急に駆け出し、
バケツで汲んだ水を焼夷弾にかけて消火しようとする。

そこに「径子」達も戻って来て、
焼夷弾に蒲団を被せてそのまま庭へと運び、
延焼を防ぐ。

後日「すず」は、
見舞いに訪れた「すみ」から、
江波に戻る様勧められる。

「すみ」は「すず」に見送られる途中、
女子挺身隊として働く中で出会った
気になる異性の話をする。

「すみ」を見送った後、
度重なる空襲で焼け野原の状態となった呉の町で、
「すず」は1人複雑な気持ちで佇む。

「すみ」をはじめ、
周囲からの
「大丈夫そうで良かった」
という言葉を思い起こしながら、
「すず」は右腕を見つめ続ける。

後日の昼間、
「すず」は庭先で一羽の鷺を見かける。

「すず」は鷺を追い掛けながら、
安全な場所へと誘導しようと
呼び掛け続ける。

鷺が無事飛び立った様子を確認した直後、
敵機が「すず」目掛けて飛来して来る。

間一髪駆けつけた「周作」と共に側溝に身を隠し、
「すず」は難を逃れる。

「周作」は
「すず」の向う見ずな行動を窘める。

「周作」は
「すず」が嫁いで来て以来
ずっと楽しかったと訴える。

「すず」は、
空襲や「晴美」の事が原因で、
江波の実家に戻る事を考えているという本音を
「周作」に言い当てられ、
思わず「違う!」と裏腹な事を言ってしまう。

昭和20年8月6日
「すず」は江波に戻るための荷造りをしていた。

すると「径子」は「すず」の髪をすきながら、
「晴美」の事で責めた事を詫びる。

「径子」は、
自分で望んで早くに就職して、
自分で望んで意中の相手と結婚し、
店を切り盛りする道を選んだはずが、
結果としてうまくいかなかったと語る。

周囲に言われるまま嫁に来た「すず」が、
如何にこれまで大変な思いをしていたか
今更ながら分かったと、
「径子」は「すず」に語り続ける。

すると突然、
周囲が閃光に包まれる。

その直後衝撃が走り、
「すず」と「径子」は身を寄せ合う。

衝撃がおさまった直後、
「すず」は「径子」に、
このまま「北條家」に置いてほしいと懇願する。

その直後、
「円太郎」の呼び掛けで庭に出た「すず」達は、
広島市内の方角に出現した
巨大なキノコ雲を確認する。

やがて、
広島市内に新型爆弾が投下されたとの情報が知らされる。

間もなく広島市への支援活動が始まり、
「すず」や「径子」等も参加する。

実家の家族の事が気になる「すず」は、
広島市内での支援活動への参加を希望するが止められる。

すると「すず」は、
作業用のはさみで長髪を切り落とし再び参加を申し出るが、
やはり止められてしまう。

「すず」は「北條家」の庭の木に、
広島市内から飛ばされて来た格子が
引っ掛かっているのを見つける。

格子を見つめながら、
「すず」は実家の家族との日々を思い起こす。

昭和20年8月15日
「すず」は「北條家」の居間で、
「サン」「径子」「刈谷さん」等と共に、
玉音放送を聞き
戦争が終結した事を知らされる。

放送終了後、
「すず」は最後の1人になるまで戦うのではないのかと叫び激昂する。

母屋を飛び出した「すず」の傍で、
「径子」は「晴美」の名を呼びながら泣いていた。

「すず」は段々畑にうずくまり、
1人嗚咽する。

陸軍に徴兵され広島市内にいた「刈谷さん」の息子は、
呉に辿り着くも隣保館前で息絶えていた。

終戦後、
「すず」と「径子」は、
進駐軍による配給の列に並ぶ。

受け取った炊き出しの中身は、
ゴミの混ざった残飯を煮込んだ物だったが、
口にするや「すず」と「径子」は
おいしいと漏らす。

その一方、
家の食事を口にするや
まずいと漏らしてしまう。

そんな中、
「サン」が箪笥に保管していた白米が、
混ぜ物をせずに炊かれ、
「北條家」の食卓に並べられる。

「円太郎」も、
白い飯がはっきり見える様にと、
食卓の照明から覆いを取り外す。

「すず」は草津を訪れ、
「すみ」を見舞う。

原爆投下時、
「キセノ」は祭の準備を手伝うため
広島市内にいた。

「すみ」は「十郎」と共に広島市内に入り、
「キセノ」の行方を探すも
結局見つけられなかった。

その直後「十郎」も急死し、
「すみ」も体調を崩してしまった。

床に伏した状態で、
腕にできた紫のあざを見つめる「すみ」の手を、
「すず」は優しく握る。

「すず」は「すみ」に、
戦死したとされる兄の「要一」は実は生きていて、
髭もじゃの大男になり、
ワニをお嫁にしてどこかの島で暮らしているのではと
想像話を語って聞かせる。

昭和21年1月
「すず」は「周作」と共に広島市内にいた。

変わり果ててしまった市内を歩く内、
2人は初めて出会った橋の上に辿り着く。

「すず」は「周作」に、
「ありがとう。この世界の片隅に、うちを見つけてくれて。」
と感謝の言葉を贈る。

するとそこを、
見覚えのある「ばけもん」が通りかかり、
背中のしょいかごの中から
ワニがひょっこり顔を出す。

場面が変わって、
広島県産業奨励館を眺める母娘がいた。

するとそこに原爆が投下され、
母娘は閃光に包まれる。

母は右腕を失い、
ガラス片が刺さり流血状態で、
娘の手を引きながら彷徨い歩く。

やがて焼け跡の中で座り込んだまま、
母は息絶え蠅が集り出す。

母の亡骸の傍で留まり続けた娘であったが、
ついに1人立ち上がり、
焼け跡を進んで行く。

彷徨い続けて駅に辿り着いた娘は、
足元におにぎりが1つ転がって来るのに気付く。

転がって来た先を見ると、
食事中の「すず」と「周作」の姿があった。

娘は拾ったおにぎりを
「すず」に差し出す。

すると「すず」は娘の手を取り、
「あんた…よう広島で生きとってくれんさったね」
と優しく語り掛ける。

右手のない「すず」に、
右手を失いながら自分の手を引いていた母の姿を重ねた娘は、
「すず」の腕にすがりついて来る。

「すず」は娘を優しく受け止め、
「周作」も迷う事無く娘を
呉に連れ帰る事にする。

「北條家」に到着後、
「円太郎」、「サン」、「径子」、
家を焼失し同居する事となった「小林夫婦」等に、
「すず」と「周作」は娘を紹介する。

娘の体から大量のシラミが飛び出している事に気付いた「周作」は、
急ぎ風呂場へと連れて行く。

その傍で
「径子」は「晴美」の遺した服を箪笥から取り出す。

(感想)

※以下に記載された内容は、
本作品に対する私個人の感想・見解であり、
他者の意思を先導・操作する意図等は
一切ありませんのでご理解願います。

また、
記載された内容には、
現在の観点では不適切と思われる表現が含まれますが、
特定の個人・集団に対する差別・偏見を助長し、
中傷する意図等は一切ございませんので、
その点もご理解願います。

まず、
本作で良かったと感じた点は以下の通りです。

原作者の「こうの史代先生」による
独特の柔らかいタッチで描かれたキャラクターが、
雰囲気そのままに映像化された事に、
何よりも好感が持てました。

また、
所謂萌えキャラ風のタッチではありませんが、
「白木リン」が色っぽい雰囲気で描かれ、
芸が細かいと感じました。

キャラクター以外にも、
「こうの先生」「片渕監督」等が
徹底的に取材した上で再現する事にこだわった
広島市内のかつての街並みの描写に
奥深さを感じさせられました。

大勢の人が行き交い、
活気の溢れる広島の街並みが、
アニメとして描かれ、
大変新鮮に感じました。

続きまして、
女優の「のんさん」が演じた
主人公「北條(浦野)すず」の声について、
天然キャラ的な
「すず」の雰囲気に良く合っていると感じました。

「のんさん」の声の演技について、
共演されているプロの声優の方々と比較すると、
弱冠浮いているという印象が否めませんでした。

ただ、
「すず」のキャラクターとしては、
2013年に「のんさん」が演じた
連続テレビ小説「あまちゃん」の主人公
「天野アキ」そのままの様な声の雰囲気の方が
適切だと痛感しました。

作品公開前の発表当初は、
客寄せパンダ的な批判を一部されていましたが、
実際の作品を見ると、
適任だと思いました。

「のんさん」は、
2012年公開のアニメ映画
「ロラックスおじさんの秘密の種」の日本語吹替版の
「オードリー」役で既に声優は経験済みでした。

但し公開当時、
「ロラックスおじさん」の吹替えを
「志村けんさん」が担当している事にばかり注目していたため、
「のんさん」が参加されている事を全く知りませんでした。

「オードリー」とは全く声の印象が異なりますが、
聞いている内に
「すず」と一体化したかの様な
「のんさん」の声にすっかり引き込まれてしまいました。

「哲」に対し抑えていた気持ちをぶつける場面と、
玉音放送直後の嗚咽する場面での激しい口調が、
普段の穏やかな口調とのギャップを見事に演じ分けられ、
強く記憶に残りました。

その他の登場人物も、
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の「オルガ=イツカ」役等でお馴染みの
「細谷佳正さん」が「北條周作」役を、
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の
「アルテイシア=ソム=ダイクン( セイラ=マス)」役等でお馴染みの
「潘めぐみさん」が「浦野すみ」役を、
「幽☆遊☆白書」の「浦飯幽助」役等でお馴染みの
「佐々木望さん」が「小林の伯父」役を演じ、
個人的には大変豪華な顔ぶれでした。

劇中で使われる
「隣組」の歌について、
お気に入りだった
「ザドリフターズ」のコント番組
「ドリフ大爆笑」のオープニング曲が思い起こされ
大変懐かしく感じました。

それと、
「すず」が着物からもんぺを縫い上げる場面や、
創意工夫して料理をする場面が、
ほのぼのとしていて気に入りました。

一方、
物語後半の空襲の場面については、
主人公達の恐怖感を疑似体験させられた
印象でした。

IMAXや4DX等の
特殊な音響機器が設置された劇場ではなかったにも関わらず、
「すず」が初めて呉で空襲に遭遇した場面の金属音や、
防空壕に避難した場面の
外から伝わる轟音等に臨場感があり、
怖いとさえ感じました。

既に鑑賞された方々が、
ぜひ劇場で観てほしいとコメントされていましたが、
実際行ってみて納得させられました。

そして、
戦時中が舞台の作品ですが、
主人公達の日常生活を中心に描かれ、
基本的に構える事無く鑑賞できた事も
評価したいと思いました。

ところどころに笑いを誘う場面もあり、
シリアスな場面とのバランスも
丁度良かったと感じました。

私が鑑賞した回では、
広島市へ届けるわらじ作りの場面で、
両手が揃っていればもっときちんと編めるのにとぼやく「すず」に、
「そりゃ皮肉かね?」
と「径子」がひどい仕上がりの自分のわらじを見せる場面で、
客席から笑いが起きました。

そして
エンドロール部分で、
原作には描かれていない
「すず」達「北條家」の面々のその後姿が
止め絵で登場し、
何だかほっとさせられました。

同じく、
今回クラウドファンディングで出資された方々の一覧が
表示される場面の下部に、
「白木リン」が主人公の物語が描かれ、
何だかスッキリさせられました。

「リン」が草津の「森田家」にやって来るまでと、
「森田家」を出て朝日町の遊郭で働く様になるまでの経緯が
描かれていました。

本編にはなかった
「すず」が持って来てくれた西瓜を「リン」が食べる場面や、
再会した際「すず」に話していたアイスクリームを食べる場面、
「すず」と「リン」との交流が描かれ、
欠けていたピースが埋められた気持ちでした。


続いて、
本作で残念に感じた点については以下の通りです。
個人的に最も残念だった事は、
劇中に登場する方言の一部に、
どうしても意味が分からないものがあった点です。

「周作」が「すず」を褒める場面で、
「周作」が何と言っているのか
理解できず、非常に気になりました。

何でも、
「こうの先生」は言葉について
「それぞれの土地のそれぞれの時代の言葉」
にこだわられているそうです。

そのためか、
2003年出版の「こうの先生」の著書
「夕凪の街 桜の国」にも
方言の標準語訳等は特に付いておらず、
読んでいて一部意味が理解できない台詞がありました。

同じく、
2012年出版の「ぼおるぺん古事記」を流し読みした際、
全て台詞が原文のままで書かれ、
殆ど内容を理解する事ができませんでした。

「古事記」の漫画については、
「石ノ森章太郎先生」等の著書をはじめ、
小学生の学習用に出版された物の様に、
現代語訳され、
分かりやすくアレンジされるのが定番だと考えていたため、
度肝を抜かれました。

まあ、
インターネットも普及し、
方言をはじめとする言語に関する資料も充実しているので、
知りたくなれば自力で十分何とかなるとは思いますが…

それと、
物語の冒頭とクライマックスに登場した
「ばけもん」は結局何者だったのか
分からず仕舞いだった点も気になりました。

「すず」が話していた様に、
実は生存していた「要一」だとしたら
冒頭の場面と矛盾するため、
少しもやもやさせられました。

そして、
私は未読のため詳細は不明ですが、
原作からごっそり省略された場面があったそうです。

原作既読の方々も、
肝心の部分はほぼ映像化されているとコメントされていますが、
丸ごと抜け落ちた箇所があったそうです。

原作好きの視点で考えた場合、
確かに残念かもしれませんね。

今後改めて原作を読む機会があれば、
私もより共感できるかもしれませんね。


※以下の内容は、
良い・残念とは無関係に、
今回本作を鑑賞後、
個人的に思う事を記載したものになります。

私が本作の原作者
「こうの史代先生」の存在を知ったのは、
2003年に出版された「夕凪の街 桜の国」が
初めてでした。

同書刊行当時推薦者が、
恐怖の余り「はだしのゲン」の読書を中断した体験を引き合いに出し、
「被爆体験を持つ作者が渾身の思いを込めて描いた名作は、
そのパワーゆえ、受け止める側にも体力を要求する。」
とコメントされていました。

故に、
原爆投下後の惨状の直接描写も無く、
全体的に柔らかいタッチで描かれた「夕凪の街」は
それまでの戦争漫画のイメージを覆す作品として、
非常に斬新な印象を受けました。

しかし、
きっちり悲劇も描かれ、
序盤の主人公である「平野皆実」は
生きる事に前向きになれた矢先に
衰弱し息絶えてしまいます。

中盤以降も、
「皆実」の姪の「石川七波」を主人公に、
過去の呪縛が暗い影を落とす展開が見受けられました。

そして、
本「この世界の片隅」では、
戦時下である事を忘れさせてくれるかの様な
平和で楽観的な性格の「すず」を主人公に、
戦時下の庶民の日常生活が淡々と描かれていました。

しかし、
「すず」達が知らぬ所で戦局が悪化し、
日々の生活も厳しさを増して行きます。

やがて空襲も始まり、
死と隣り合わせの生活となります。

そしてその中で、
「すず」達は掛け替えのないものを
次々に失っていきます。

「晴美」の死と右手の喪失後、
自分の居場所を模索する「すず」の姿には、
前半のお気楽な印象は微塵も無く、
演出も絶望感を醸し出していました。

兄「要一」の死に対する「すず」の気持ちとかけて、
「左手で描いた絵の様に歪んどる」
という台詞が挿入され、
「まだ左手が残っている」
という安易な希望が粉砕され、
余計悲劇的でした。

話が逸れますが、
平穏な日常が静かに蝕まれ、
主人公達が悲劇的な最期を迎える作品として、
「風が吹くとき」という映画もありました。

多くのものを失いましたが、
「すず」は何とか生きて終戦を迎えます。

自分達の知らぬ間に戦争に巻き込まれ、
自分達の心情と無関係に突然戦争は終わり、
「すず」は感情を爆発させます。

あっけらかんとした印象だった「すず」が、
感情を剥き出しにする姿が大変痛々しく、
切なく感じました。

「夕凪の街 桜の国」以前の
戦争がテーマの作品のイメージと言えば、
「水木しげる先生」の「総員玉砕せよ!」の様に、
大量の死体が登場し、
血生臭く、凄惨な戦場の場面が描かれている
というものでした。

戦場から離れた一般庶民の生活の描かれ方も、
NHKの朝の連続テレビ小説等の様に、
息苦しく、殺伐としたイメージが主流でした。

いずれも
悲劇的な展開が、
強い刺激をともなう演出で
描かれていました。

その点、
「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」では、
上記の様な血生臭い場面も、
人の死を直接描写する場面もほとんど登場しません。

基本的に、
現代にも通じる庶民的な日常生活を中心に、
その中で悩みや問題を抱えながら、
日々を生きる人々の姿が描かれています。

それ故に、
その様な一見平穏な日常が、
静かにあるいは唐突に
蝕まれていく様子が
悲劇性を際立たせていました。

「夕凪の街 桜の国」とは異なり、
「この世界の片隅に」は原爆がメインテーマではありませんが、
ラスト近くで、
被爆した母娘の悲劇が描かれました。

個人的には、
80年代頃まで戦争教育の教材として用いられた
アニメ「ピカドン」「はだしのゲン」で描かれた
原爆投下による惨状と比較すると、
大分ソフトに抑えられているという感想でした。

上記2作の該当場面は、
私を含め、
視聴後にトラウマになる人が多々存在したそうです。

無論いくらソフトになっていると言っても、
今回トラウマになった方もいるかもしれません。

体にガラス片が刺さった状態の母親が、
出血しながら焼け跡を彷徨い、
やがて座り込んだまま息絶え、
蠅のたかる遺体と化す場面は
観ていて胸が詰まりました。

同様に、
「北條家」に迎え入れられた直後に娘の体から
大量のシラミが飛び出す場面も、
かなり生々しいものでした。

時代に合わせ表現をマイルドにせざるを得ない流れが、
妥当か否かは分かりませんが、
限られた表現方法の中で、
受け手に悲劇を伝えるという役割については
「こうの先生」の上記2作は
十分に果たせていると個人的には解釈しています。

「はだしのゲン」の作者「中沢啓治先生」も生前、
「夕凪の街 桜の国」に太鼓判を押されていました。

本「この世界の片隅に」では、
静かで緩やかに悲劇が描かれる一方、
やんわりとさり気なく希望が描かれていると
感じました。

「北條家」の面々が、
混ぜ物をしていない白米を炊き、
食卓の明りから覆いを取り外す場面で、
戦争が終わった事が端的に伝わり、
印象的でした。

上記の場面を観ていて、
「手塚治虫先生」の「紙の砦」という作品のラストシーンで、
灯りが灯された街の夜景を見た主人公が、
戦争が終わった事に歓喜する場面を想起させられました。

また、
満身創痍の「すず」が、
「周作」をはじめとする「北條家」の人々、
新たに家族として迎え入れた「少女」等と共に、
日々の生活を続けて行こうとする姿が描かれたラストシーンからも、
決して強固ではないものの希望を感じさせられました。

さらにエンドロール部で描かれた、
「すず」「径子」「少女」等が、
笑顔で過ごしている様子からは、
明るい希望を感じました。


続きまして、
以下の記載内容は、
本「この世界の片隅に」の監督である
「片渕直須監督」について思う事になります。

今回の作品を語る上で
頻繁に引き合いに出されている
「片渕監督」の2009年公開のアニメ映画
「マイマイ新子と千年の魔法」については、
私も公開当時劇場で鑑賞しました。

今回と同様、
「マイマイ新子」も公開当初は小規模の劇場でのスタートだったものが、
口コミで話題となり、
異例のロングラン上映となった作品でした。

私も最初は全然関心がありませんでしたが、
非常に話題になって評判も良かったため、
検討した末劇場に向かいました。

鑑賞し始めて最初の内は、
派手な演出も展開も無く、
ただ日常の景色が淡々と描かれるだけの内容に、
退屈な印象を受けました。

しかし鑑賞後、
劇中の場面が断片的にですが、
強く記憶から呼び起こされた感じで、
観に行って良かったと思えました。

「この世界の片隅に」の関連記事で「こうの先生」が、
「片渕監督」が担当した1996年放送のテレビアニメ
「名犬ラッシー」がお気に入りだったとの記載がありました。

私は同番組についてはリアルタイムで視聴しておらず、
打ち切りになった事位しか知りませんでした。

しかし、
終了から大分後になって地元で再放送され、
せっかくの機会と思い視聴しました。

それ程大きな事件が起きる訳ではなく、
毎回主人公「ジョン」と愛犬「ラッシー」、
彼等の仲間達を中心とした、
他愛のない日常の出来事が淡々と描かれると言った印象でした。

特に個人的に印象に残っているのは、
突然主人公達の村に現れた
「アイアン・コッパー」のエピソードです。

無口で無愛想、強面の大男という「アイアン」ですが、
実は大変気の優しい性格というキャラでした。

ところが、
「アイアン」を
近辺で発生した強盗事件の犯人と決め付けた刑事が、
村人達に「アイアン」に関する悪い噂をばらまきます。

そんな中、
森の中でナイフを持って1人佇む「アイアン」の姿を目の当たりにした「ジョン」は、
父親の「サム」に対し、
「アイアン」は要注意人物ではないかと訴えます。

それに対し「サム」は、
「ジョンだって工作をする時にナイフを使うだろ?」
と諭し「アイアン」を庇います。

同じく、
噂を聞いた鉱夫達が
「アイアン」が居候する「ジョン」宅に押しかけた際も、
「君達はアイアンが悪さをする所を見たのか?」
と「サム」は再び「アイアン」を庇い、
刑事にも抗議しました。

結局、
「アイアン」への疑いは払拭され、
彼はそのまま村に居着く事になりました。

2000年代に、
見た目(髪の色・目つきが悪い等)や些細な誤解がきっかけで、
周囲から不良と決めつけられ、
やる事為す事悪い方に解釈され、
苦労する主人公の姿をコミカルに描いた漫画やアニメが、
多々見受けられる様になりました。

それらの作品を見ていて、
「『サム』の様なキャラが庇ってくれたら、主人公の状況は改善するのに…」
と個人的には思いました。

話が逸れましたが、
上記のエピソードを含め、
さり気ない優しさや思いやりが
「名犬ラッシー」ではやんわりと描かれ、
視聴した後になって
ほのぼのとした気持ちにさせられました。

しかし番組自体は人気が振るわず、
結局打ち切りという形で締め括られました。

そのため、
原典である海外ドラマで人気の高かったエピソードが
ごっそり省略され、
ファンの方々は非常に残念に感じたそうです。

確かに、
クライマックスの炭鉱の危機と再生、
「ジョン」と「ラッシー」の別離と再会までの展開は、
非常に駆け足気味の印象が否めませんでした。

長年続いたテレビシリーズの一編として評価すると
厳しい扱いを受けるかもしれませんが、
個人的にはお気に入りの作品でした。

「片渕監督」は日常が舞台の作品に限らず、
「BLACK LAGOON」の様な
アクションものも監督されています。


それでは最後に、

かつての戦争を取り扱った
漫画やアニメについて、
思う所を以下に記載します。

原爆がテーマの漫画として
「はだしのゲン」は言わずもがな、
白土三平先生の「消え行く少女」等が
ありました。

上記の作品以外にも、
ギリギリ80年代位までなら、
本来無関係のジャンルの漫画やアニメで、
かつての戦争や原爆がテーマのエピソードが描かれる機会が
度々ありました。

個人的には、
1969年放送のテレビアニメ「タイガーマスク」の
第50話「此の子等へも愛を」
が印象的でした。

巡業で広島を訪れた主人公「伊達直人=タイガーマスク」が、
被爆者である母を持つ幼い兄弟と出会い、
彼等の置かれた現状に戸惑いながら、
陰ながら優しく手を差し伸べるエピソードでした。

苦しい生活の中、
健気に日々の生活を乗り切る子供達の姿が
印象に残りました。

しかし時代が変化するにつれ、
原爆はもちろん、
かつての戦争をテーマにした物語が、
子供向けの作品で描かれる機会は、
次第になくなって行きました。

特に、
リメイクという形で再映像化された際に、
本来は盛り込まれていた
戦争に関するキーワードや表現が、
削除されるケースが見受けられる様になりました。

先日もアニメ「ドラえもん」の
「ジャイアンへのホットなレター」というエピソードで、
原作や「大山のぶ代さん版」にはあった
「この世で一番恐ろしいのは核兵器とジャイアンの歌だ!」
という台詞がカットされていました。

同様に、
2004年に放送されたアニメ「ブラックジャック」でも、
原作の「やり残しの家」というエピソードが映像化された際、
原爆に関わる設定が削除されていました。

繰り返しになりますが、
時代に合わせ表現をマイルドにせざるを得ない流れが、
妥当か否かは分かりませんが、
創作物のテーマとしては、
描き続けてほしいとは思います。

そして2000年代に入り、
「夕凪の街 桜の国」の登場を境に、
「今日マチ子先生」の「cocoon」「アノネ、」「ぱらいそ」、
「おざわゆき先生」の「凍りの掌」「あとかたの街」等
戦後生まれの著者による
新たな切り口から描かれた
戦争をテーマとした漫画が
登場する様になりました。

今後も、
同じ作風の漫画が
描かれ続けられるかもしれませんね。


今回
「この世界の片隅に」を劇場で鑑賞した後、
2007年に実写映画化版
「夕凪の街 桜の国」を鑑賞後から引っ掛かっていた
「アニメだったら尚良かったかもしれない」
という気持ちが今回再燃した印象でした。

本「この世界の片隅に」も、
2011年に特番として
「北川景子さん」主演で実写ドラマ化されました。

上記ドラマが放送される事を当時知っていましたが、
結局視聴しませんでした。

そう言う訳で、
今回アニメ映画化された作品を初めて鑑賞し、
劇場に観に行って良かったと思いました。

今後機会があれば、
原作の漫画も読破したいと思います。


それでは
大変長文となりましたが、
今回はこれまで!

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